My music instruments hacks & circuit bent collection

2007年ごろより東海地方を中心に現在も活動中の、楽しい和太鼓と缶カラ三味線とサーキットベンドのバンド 「世紀マ3」のサーキットベンディング担当です。 ライブで使う楽器をGoogle Photoに全て掲載しているほか、一部の楽器の制作過程をYoutubeでも公開しています。 モノが見たい、など問い合わせありましたら、Twitterへお願いします。

チャイミン(カウンターチャイム)の潜在能力、「エリーゼのために」モード

私の自称代表作チャイミンは、「ピ〜ンポ〜ン」という、聞き慣れた音がずっこけるさまでサーキットベンディングの面白さを万人に伝える傑作です。

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さてこのチャイミン、2018年6月に鴨江アートセンターで開催された、PEG vol.1のワークショップで一つの謎が発見されました。参加者の一人のカウンターチャイムからエリーゼのために」が流れるという、ぶっ飛んだバグと言うか怪奇現象が起きたのです。なぜ、エリーゼのためにが・・・会場は笑いに包まれましたが、私は心から笑えませんでした。「・・・怖いわ!!」

そもそもチャイミンのベースであるオープン工業製カウンターチャイムTB-50は、「ピーンポーン」という音を出す以外にその役割はなく、製品ページにおいてもエリーゼのためにを流す機能が備わっていることなどは記載されておりません。

www.open-k.co.jp

なぜそのような事が起こったのでしょうか。その不思議な現象については、起こした張本人、参加者Silloiさんのブログの中程でその証言を読むことができます。

silloi.hatenablog.com

その場で何度か、このSilloiさんのチャイミンはしばしばエリーゼのためにを披露します。サーキットベンディングされているため、エリーゼのためにの旋律がマヌケな感じで流れ、講師である私の舌を巻きました。私の自慢のチャイミンからはエリーゼのためには流れません。ただのピンポーンです。

意図や原因はわかりませんが、もともとチップに内蔵されていることは間違いなさそう。どこかとどこかをショートさせるとスイッチが入るのでしょうか?その場でいろいろ試してみたものの、再現をすることは誰にもできませんでした。

あれから2年。その間私はずっと、チャイミン、いや、カウンターチャイムと向かいあい、エリーゼのためにがなぜ流れるのか?を毎晩考える・・・ようなことはしませんでしたが、その謎のヒントはある日突然やってきます。

それは2020年8月、ハードオフ仕入れたおもちゃのサーキットベンディングに失敗し自信を取り戻すために、チャイミンの制作に逃g・・・勤しんでおりました。いつものように可変抵抗やフォトレジスタをつけ、なんの変哲もない素晴らしいチャイミン(ただしエリーゼのためには流れない・・・)を作り終え、動作テストをしておりましたところ。発見したのです。

フォトレジスタにかなり強い光を与える(抵抗が低くなる)と、エリーゼのためにモードが発動するようです。したがって、エリーゼのためにが流れ出すタイミングはかなりの高音・スピードです。いつもと違う電子音が流れたと思ったらすぐに抵抗値をあげることで、エリーゼのためにを聞くことができるようになります。

これが正しい方法かはわかりませんが、とにかくチャイミンの制作者の一人として、エリーゼのためにモードを意図的に引き出す技を会得しました。今度、ワークショップがあった際にも講師として、したり顔で講釈をすることができます。

まあ、その際はトルコ行進曲を引き出す猛者が出るかもしれないのですが、そもそもそういった偶然の出会いが、ワークショップの醍醐味とも言えます。