目覚まし時計をサーキットベンディング
最近はめっきり、ドラムマシンやシンセサイザー、エフェクターのサーキットベンディングから離れ、おもちゃ類のサーキットベンディングに勤しんでいます。理由としては出音さえ面白ければ概ねピッチベンドを施すだけで完成まで持っていけることや、手軽に入手できることから、失敗してもすぐにつぎへ気持ちが切り替えられるからです。
発表することなどは特に意識もせず、次から次へと作品が増えてゆくのは気持ちいですし、繰り返すほどになにかしら身についていくような気がする、縄跳びや腕立てのような、そういう感覚です。
そうこうしていると、近場のリサイクルショップをまわるだけでは資源が枯渇してきます。以前紹介したカウンターチャイムのサーキットベンディング作品「チャイミン」のように、素材の新品を通販などで探すこともそれなりに賭けですが必要になってきます。
賭けというのは、リサイクルショップで中古品を安価で買うわけではなく、定価で買うからであり、例えば失敗例は下記の時計。定価は8,940円(税抜)でした。
サーキットベンディングの素材として期待して買っては見たものの、それが不可能だったり、失敗したことは何度かあります。中でもコレに失敗したときは、絶望でしばらく立ち直れませんでした。 pic.twitter.com/wk682Brfcu
— 世紀マ3 シンセ担当 (@banzainuigurumi) 2019年8月24日
さて、通販で素材を探す際、検索窓に「メロディ」というワードをほうりこむと、電子音のメロディが仕込まれたおもちゃや電化製品がリストアップされることが多いです。そんななか新品の素材をモノタロウで発見しました。
メロディアラームクロック フルーティ MAG(ノア精密) 置き時計 【通販モノタロウ】 T-379 PK-Z
ただの目覚まし時計のように見えますが、鐘を物理的に打撃するタイプではなく、16曲もの目覚まし音のメロディが仕込まれておるとのこと。魅力的なのはその値段で、2020年1月現在、999円です。(もっとほかに安いのもあるかもしれませんが)
新品で素材を仕入れられるメリットとしては、何度か失敗しても再チャレンジが可能であることのほか、ワークショップなどにも活用できることなどが挙げられます。
早速開けてみます。
なかなかに期待値の高い基板の見た目。指で触ってみると、かんたんにピッチのぐらつきを確認できました。
抵抗を取り除いて、1MΩの可変抵抗にすり替えます。中身のクリアランスもいい感じで、他にも色々スイッチはつけられそう。なお、このあと出かける用事があったので、20分ほどでピッチベンドのみのサーキットベンディングを施しました。
出来上がりは、これはこれでシンプルでとてもよろしい。
このメロディ目覚まし時計フルーティーは、そのまま時計としても生活に溶け込ませることができ、いかにもな感じがなく、よりシュールさを味わうことができます。実際、作業机の上の時計として今も活躍しています。
これからも、おもちゃや楽器だけではなくこうした電化製品も、もっとサーキットベンディングしてみたいです。
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