My music instruments hacks & circuit bent collection

2007年ごろより東海地方を中心に現在も活動中の、楽しい和太鼓と缶カラ三味線とサーキットベンドのバンド 「世紀マ3」のサーキットベンディング担当です。 ライブで使う楽器をGoogle Photoに全て掲載しているほか、一部の楽器の制作過程をYoutubeでも公開しています。 モノが見たい、など問い合わせありましたら、Twitterへお願いします。

NOISE TOASTERキットで自分だけのシンセを作ったはなし

Make:の書籍で知って、以前から欲しいな〜と思っていたNOISE TOASTERのキットでアナログシンセサイザーを作りました。

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そもそも書籍を読んだ当時は、漠然とほしいなあと思っていただけだったのですが、MakerFaireTokyo2018の秋月電子のブースでキットが売られているのを見て、衝動買いをしたのでした。通販でも買えるようです。

ec.akizukidenshi.com

ちなみに、部品のみ/パネルのみ/その両方、の3種類から選べます。パーツのリストが書籍には載っているので、パネルのみを買って自分で探すのも楽しいのかもしれませんね。

8月の中頃まで放置していたのですが、とある平日の夜に開封した途端みるみるうちに組み上がりました。その過程でいくつか写真を残していたので披露します。

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最初はつまみやスイッチなどをパネルにつける作業からはじめました。このあたりはキットに付属の設計図や、書籍でもわかりやすく図解されており、プラモデルのような感覚です。

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一番注意をはらったのは「部品が足りているか」と「間違えてはんだ付けしていないか」でした。キットに付属のパーツリストを上から順番にチェックを入れながらはんだ付けをしていきました。

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キットに含まれる部品は、リード線にそこそこの余裕があるくらいで、部品の数はぴったりでした。なくすと面倒そうです。また、間違えたら外すハメになるので、間違えないように気をつけます。

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リストには基板上の番号に対して「20kΩ」とか書いてありますが、それが何色かなんて覚えてないので、ひとつひとつ(赤黒橙金 赤黒橙金 赤黒橙金)などと唱えながら表と見比べて探すわけです。上手な方法があるのかもしれませんが。

なお、下記のサイトを活用しました。このあたりから作業中にPCが必須になってきます。

抵抗値とカラーコードの一覧表 - もけいや松原(指定された抵抗が何色かを調べる)

本家サイト(部品の場所が合ってるか写真で確認できる)

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リード線もいろいろな色のものがキットに入っているのですが、正直どこに何色使おうか迷ってしまいます。最初は気を使っていましたが、途中でどうでも良くなりました。あと、いつも使っているリード線より太かったので、可変抵抗の片足にまとめてはんだ付けするのが少しやりづらかったです。

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うちにはテスター以外まともな検証ツールがありませんから、製作途中で通電のチェックはほぼ行わず一目散にリード線などをはんだ付けしてゆきました。万が一間違っていたら直せるようにリード線は長めにしています。

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基板をパネルに装着するとこんな感じ。

※なお上記の状態は電源を正しくとれていないため音が出ません。間違いです。

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グッチャグチャですね。でもリード線に余裕がないと、部品の取り外しがやりにくくなります。リード線の束をくるっとねじって基板をパネルに装着できるくらいがちょうどいいと思います。

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9Vの電池ではなく、ACアダプタがつけられるようにしました。

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結果的に、2回つまづきました。

「最後、ソケットにICをのせるのを忘れた」

「電源をとる場所を間違えてた」

以上2点です。意外と、部品の装着位置や向きは間違えませんでした。(多分。今音出てるしいいんだと思う)

平日の夜3時間ほど+土日であっさりできました。のべ10時間ほどではないでしょうか。

ハマるとどこがどう間違えたのやら探すのは非常に面倒そうですが、もし音が出ない、とか間違えてたら、最後に行った作業を逆から一つ一つ検証してゆくか、なにかツールを使うと良いと思います。書籍にも間違えたときは?のことが書いてありますが、その内容はすごく面倒そうだな〜と思いました。

私は電子工作の知識があるのかないのか自分でもよくわかっていないので、テスターも適当なところをツンツンして(あ、5Vって出てるから電気は通ってんな〜たぶん)とかしか調べません。


なお。音が出た瞬間はそれはもう感動モノですよ。私の世代的に、物心ついた頃はデジタルシンセが市場を席巻していましたが、(SY99とか01/Wとか)有名アーティストのインタビュー記事に出てくるのはアナログシンセで、相当憧れたもんです。JD800とかも楽器屋にはありましたが買えるわけないし。

とにかくツマミが付いたシンセサイザーは市場には出回っていませんでした。そんな我々世代としては、アナログシンセが自分で作れるなど思いもよらないわけです。

ちなみに、私がサーキットベンディングを始めたきっかけはbleep.comでたまたま見かけたtech will save usのDIY SYNTH KITなのですが、それを触ったときにもまさかアナログシンセが自分で作れるなんて(しかも数千円で)と思いました。

www.techwillsaveus.com

話が横道にそれますが、2015年のクリスマスすぎにロンドンに行ったとき、ついでにtech will save usの事務所にアポなしで行ったのですが、そのことをなんと記事にしてもらいました。要するに子供用の手作りシンセキットでサーキットベンディングにハマってしまった外国人の話として紹介されたのです。いい話です。

www.techwillsaveus.com

さて、このノイズトースターはキットなわけで、アイデア次第でいろんな事ができる可能性を秘めているわけです。ということで、以前ピカルミンの中身をサイバーマンヘルメットの中身に引っ越したのでピカ◯ュウのガワだけが残っていまして…

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ノイズトースターを中に仕込んでやれと思い立ちました。

パネルからすべての部品を外します。どれが何だったか?などはスイッチや抵抗自体にメモをしておくと良いです。

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基板がピカ◯ュウの中に収まるサイズであったことと、ある程度リード線を長めにとってあったことが功を奏し、難なく移植に成功しました。なお、その後何気ないツイートに残骸がうっかり写っており、ピカルミンの作者であるKaseoさんにバレました。

ただのノイズトースターよりも味わい深いピカ◯ュウ型のシンセが出来上がりました。キットなのでそのまま使っても良いですし、パーツを変えて楽しむのも良いと思いますが、ガワを変えるだけでも楽しみ方に幅が出るというものです。

www.youtube.com