トグルスイッチのネジネジの飛び出しは、ツッパリである。
皆さんはこの部品をどのようにお使いでしょうか。
こいつらはトグルスイッチについてくる、ロックワッシャー(ギザギザのほう)と、ロッキングリング(ツメがついているほう)です。こういうやつ。
3Pトグルスイッチ 1回路2接点: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
私はこれまで、なんの疑問もなく・・・パネルの表側から締めるナットの座金のような感覚で下の写真のように使用しておりました。
なんでしたらツメがついているワッシャーのツメは、締めすぎて斜めにズレたのを外からでもラジオペンチでつまんで補正できるためのものだと思ってました。
しかしこれらは、パネルの裏側につけるモノだというのをMake: Analog Synthesizersに掲載されている写真を参照しながらシンセを組み立てている際に知って、顔真っ赤になって、その後表側につけたものを大量に作り続けていることに真っ青になりました。
Make:のロゴの赤と青は、顔真っ赤と顔真っ青から来てるんでしょうか?うちだけですか。
さて、NT名古屋でお近づきの機会を得たアナログシンセを制作しておられる @Kimioh32さんから、表に出る方はツラを合わせ、絞めるのは中のナットで絞めるのに使うものとコメント頂き、続けて下記のような写真を送っていただきました。
こんな感じです。 pic.twitter.com/yzVFLYjVF0
— 公生32+ (@Kimioh32) 2021年1月3日
なるほど・・・自分でもやってみました。要するにこういうことです。あらかじめ外からナットで締める長さを残し、裏側のナットとワッシャーで位置決めをしておくわけです。ついでにいうと、ツメが引っかかる部分は、軽くドリルでザグっておくと空転防止のために引っかかるわけです。
・・・外から見ても美しい。
というわけで、見た目の間違いを正すために・・・ワッシャーを取っただけでは外に飛び出るネジネジ部分が飛び出過ぎで美しくなく、そもそもそのネジネジの長さは、パネルの厚さに合わせて調節するためのものであると。これが本来の使い方。
しかしながら、自分で外装から設計するわけでもないサーキットベンディングものは既製品に対して無理やり部品を増設することとなり、往々にして内部のパーツと干渉してしまいます。
ゲームボーイに至っては、内部のクリアランスがとてもシビアで、トグルスイッチのハンダ端子すら折って使用している状況。できる限りパネルに密着した状態=ネジネジ部分が外部に飛び出してしまうことはやむを得ません。
実際のところ、サーキットベンダーの皆さんはどうなんでしょう。先達のKaseoさんはこうおっしゃられています。
私も内部干渉を避けるため、できるだけ外へ出す派ですw 出ている方の見た目が好きなのもありますけど😅
— Kaseo (@Kaseo_blog) 2021年1月3日
なるほど、見た目。
私たちサーキットベンダーの場合、既存のモノに部品を増設する以上内部干渉の問題がつきまとうのですが、それがそもそもサーキットベンディングとしての特徴にもつながる。体制への批判、パンクですね。なんだか、こういうきっかけで、見た目や使われ方が変化?していくんかな〜と思いました。
「おい!トグルスイッチのネジネジやワッシャーが外に付いてるぞ!!」
「これはサーキットベンディングとしての主張のあらわれなのだ!!」
要は、ネジネジの飛び出しは、ツッパリのようなものかもしれない、というわけです。
ファッションとかも、こうして変わってきたのでしょう。クルマのエアロパーツや、タイヤの扁平化やネガティブキャンバー(ていうんでしたっけ)なども、誰かのこうした思いや信念がきっかけで広がっていった文化なのかもしれません。
さて、在野のサーキットベンディング作品も、私と同じようなつけ方をしております。ホッ。
ただ、Kaseoさんもおっしゃっていますが、正しい使い方を知った上で敢えてやるのと知らなくてやるのとでは、やっぱり違うと思います。見た目は同じですが、モノの成り立ちや歴史は知っておきたいもの。無知であることを恥じろということではありませんが、せっかく知り得た知見はその機会とともにありがたく頂戴しておきたいですね。
どうやら安全性などには大きく影響しないこともわかりましたし、飛び出ること自体はあまり気にせず、制作を続けようと思います。
ただ、外に出ているワッシャーは外したいなと思い、先日からすべての作品からワッシャーを取るプロジェクトを推進中です。
どれだけの数やるの?は私の作品集をご覧ください。結構たいへんです。
My Best Music Instruments Hack & Collection - Google Photos