我が家のサーキットベンディングに使う道具について
最近、ゲームボーイの改造ばかりやっていて新しいサーキットベンディングのネタが無いのですが、数年続けてきたこの時点で、揃えたサーキットベンディングする際の道具類について振り返ろうと思いました。
これが答えではありませんし、電子工作の本を読んでもらったほうがしっかり書いてあります。本に書いてあることと、私のようなサーキットベンダーの現実と比較してもらえると良いかな、と思います。
そもそもですが、道具を揃えてから始めるというよりはまずはほぼ丸腰で初めて、「こういう道具がほしい」「こういうのないのかな?」という欲求に合わせて、道具を探すと良いと思います。殆どの場合、自分が求める問題を解決する道具はすでに世の中にあります。
カッターマット
必須度:★★★★☆
机の上を保護するためでもあるのですが、ガイドが役に立ったりします。シリコン製の仕切りのついた工作マットもあるようですが、こっちのほうが汎用性が高いです。A3サイズで十分だと思います。
ヘルピングハンド
必須度:★★★★★
最初、これ無しではんだ付けやっていて、「こんなのいらないだろ〜」と思っていたのですが、食わず嫌いはよくありません。可変抵抗を挟んで足にリード線をつけたり、基盤を挟んでリード線をつけるときに便利。両方のクリップを使うことは殆ど無いですが、リード線同士をくっつけるときなどは必要になってきます。
当然なくてもサーキットベンディングはできますが、これは天才でもない限り必須だと思います。拡大鏡付きのものもあるようですが、そこまでは要らないな〜と思っています。ヘルピングハンズと呼ばれていたり、サードハンドとも言うらしいです。
ニッパー
必須度:★★★★★
これも必須です。我が家にはケーブルストリッパーがないので刃が鋭角なニッパーを活用しています。プラスチック工作用のもので、タミヤのモデラーズニッパーαが現行品ではおすすめです。刃が鋭角であればあるほど、その他の細かい作業に向いています。
本来はプラスチック加工専用に用意すべきですが、可変抵抗の足など一部の金属部品を切ったりするときにも使っています。
特殊ドライバー(2.5mm Y字)
必須度:★☆☆☆☆(ゲームボーイのサーキットベンディングする人は★★★★★)
これがないと、ゲームボーイの中を開けることができません。初代ゲームボーイだけではなく、ゲームボーイポケット、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスシリーズ、DSまで任天堂の携帯ゲーム機に幅広く使えます。
※ゲームボーイのカートリッジや、スーパファミコン、ニューファミコンの中を開けるためにはまた別の星型ドライバーが必要です。
メガネレンチ(10mm / 8mm)
必須度:★★★★☆
可変抵抗やトグルスイッチのナットを固定するときに使います。10mmのナットは可変抵抗、8mmのナットはトグルスイッチに使われていることがほとんどです。これまではラジオペンチで締め付けていましたが、メガネレンチを使うほうが効率が良いです。ただのC型のレンチだと滑ったりすることがあるので、メガネレンチがおすすめです。
ラジオペンチ
必須度:★★★★☆
ニッパーで噛んでグラグラにしたプラスチックを折ったり、隙間に落ちたネジをつまんだり、メガネレンチで回せないナットの締め付けなどいろいろなところで活躍します。これもできるだけ鋭利なものが良いと思います。
テストリード(両端ピン、わに口)
必須度:★★★★★
サーキットベンディングにおける基板のショートのテストのときに使います。これであらゆるところを突っついて、つながってはいけないところ同士をつなげます。このテストリードを使う前は、金属製の精密ドライバー2本をわに口のテストリードでつまんで突っついていました。
テスター
必須度:★☆☆☆☆
単純に好みの問題ですが、我が家ではあまり使いません。便利な使い方をしていないだけですが、通電してるかどうか(壊れてるかどうか)のチェックに使う程度です。
ハンダ吸取線
必須度:★★☆☆☆
あまり出番はないですが、無いと困るものとしてハンダ吸取線というものがあります。くっついている部品を外すとき、というよりは盛りすぎてしまったハンダを掃除するときに使います。ハンダ吸引器は我が家ではまだ導入されていません。(食わず嫌い)
はんだごて こて台
必須度:★★★★★
サーキットベンディングでは基本的にはんだごてを使います。電子工作用とされている30Wのもので良いと思います。特別なものは要らないです。こて台ははんだごてに同梱されているものではなく、しっかりしたものを使ったほうが良いのではと思います。我が家はgoot社のものを愛用しています。
ドリル(BOSCH IXOシリーズ)
必須度:★★★★★
ドリルは、おもちゃや楽器への穴あけだけではなく、ネジの締め付けなどにも使えるので電動のものがあると非常に効率的です。それまでは、マキタの14.4Vとかのインパクトドライバーを使っていたのですが、穴あけのスピードはパワフルなのですが、重いし小回りが利きません。しかしこのBOSCHのIXOシリーズのようなコンパクトなものはUSBケーブルで給電できたり非常に便利です。金属の筐体に金属ドリルで穴を開けるなどでは非力ですが、ほとんどのケースでこのドライバーで事足ります。
基本的に+のドライバービットは付属のものと、それより細かいものがあればほとんど対応できると思います。
※写真の一番上にあるドリルビットはゲームボーイのカートリッジ用の3.8mmの星型のドリルビットです
可変抵抗やトグルスイッチの径が6mmが多いので、7mmのドリルを一番良く使います。それ以外の部品は、テーパードリルを使って穴を広げるとよいです。我が家ではテーパードリルを2種類用意しています。最初は角度がゆるいテーパードリルのみで作業していましたが、たまにドリルが長すぎて他の部品と干渉してしまうため、角度が急な短いものも買いました。
テーパードリルは、大きな丸い穴を開けるときに専用の径のドリルを買わなくても良いので便利です。
ドライバー
必須度:★★★☆☆
標準的な+ドライバーはあって困るようなものではありませんが、もう少し小さい精密ドライバーもあると便利です。特に刃先2.5mmほどのマイナスドライバーは、ネジの締め付けというよりは、何かをこじ開ける際だとか、ちょっとしたヘラや、コテとしても便利です。
あとは、macbook用の星型だとか、必要に応じて一度しか使わなかったような特殊ドライバーがあります。
棒ヤスリ
必須度:★★☆☆☆
内部に可変抵抗等の部品を仕込む際、プラスチックを加工する際に意外と使います。穴あけ時なども、丸い穴だけならテーパードリルでなんとかなりますが、四角い穴を開けたいときなども部品によっては出てきます。そういうときは、細いドリルで、点線で四角を描くように穴を開けニッパーで切りつないでざっくりとした四角形の穴を開けます。その後、厚刃のカッターや棒ヤスリでガリガリと削るわけです。
工作用ののこぎり
必須度:★☆☆☆☆
工作用ののこぎりも常備していますが、あまり出番はありません。内部の細かい部品はニッパーなどでちぎりますが、太めの長いプラスチックの棒などはこの工作用ののこぎりを使います。
カッター
必須度:★★★☆☆
基本的なことですが、カッターやハサミもいろいろなところで役に立ちます。サーキットベンディングではないのですが、ゲームボーイの液晶の反射板を剥がす際にはこの厚刃のカッターは必須です。
定規類
必須度:★★★★☆
ドリルで穴を開けるピッチを図ったり種類はどうあれ、モノのサイズを図る際には便利です。プラスチック製の定規は、ヤクルトの工場へ社会見学に行った際にもらったものをずっと使っています。
接着剤
必須度:★★★★☆
グルーガンも、内部に部品を留めておくことに使ったり、ケーブルをまとめたりなどサーキットベンディングにおいても便利です。我が家では写真のとおり普通のものを使っています。接着剤は汎用的なプラスチック用のものと、裁ほう上手とかいう接着剤も非常に強力で気に入っています。
シールはがし
必須度:★★☆☆☆
シールはがしは、値札のほか、おもちゃでは前のオーナーがペタペタくっつけたシールなどを剥がすときに使います。ホームセンターで売っているシールはがしのほか、たまたま家にあった画材としてのテレピンも使っています。シールはがしのほうが良いと思いますが、たまたま家にテレピンがある方はそれでもいいと思います。どちらもそれなりに匂いがしますが、テレピンのほうがマシだと思います。
接点復活剤
必須度:★★★★☆
あれ、おかしいな?壊れたかな?と思ったら、とりあえずこの接点復活剤を吹きかけてナイロン製のブラシで基板やコネクタを磨きます。そうすると、生き返ることがしばしばあります。電池ボックスのサビをとったり、防ぐためにも使えます。
ラベルシール
必須度:★☆☆☆☆
これは、間違えて穴を開けてしまったときの目隠しとして使います。
粘着テープ
必須度:★★★☆☆
絶縁テープや、両面テープ、養生テープなど、一通りあると、何かと便利です。両面テープは、ゲームボーイの液晶の保護パネルをくっつけるときにもよく使います。
ぞうきん
必須度:★★★★☆
大事な部品をそっと置くときや、小さなネジを置いておくと机の上で転がりません。第二のマットとして活用できます。掃除にも使えますし、薄手、厚手、いろいろ用意しておくと良いと思います。
アルコール洗浄液
必須度:★★★★☆
どれほどの効果があるかはわかりませんが、仕入れたジャンク品はまずこのアルコール洗浄液を使ってきれいにします。汚れを取る、というよりは「清める」効果を求めてのことです。
ブラシ
必須度:★★☆☆☆
外装のちょっとした溝にある汚れを取る際に使います。基板の掃除にも使えます。金属製のものとナイロン製のものを常備しています。
油性ペン
必須度:★★☆☆☆
サインを入れるためにも使いますが、「点」をつけて、どことどこをショートさせると良かったか、を基板上に直接メモするのに使います。油性ペンの太いのと細いのを使います。たまに水性ペンで拭き取れるようにしておくこともあります。
実は、学生時代からいろいろものづくりはしていたので他にも道具はあるのですが、サーキットベンディングに関わるものののみをピックアップしました。次回は、サーキットベンディングでよく使うパーツなどもまとめようかなと思います。