サーキットベンディングの敵、黒いツルっとしたやつがゲームボーイにも入っている
50台以上ゲームボーイをサーキットベンディングしていると気づくことがたくさんあるのですがその中でもゲームボーイには基板の種類がたくさんあるということ。
こちらに@Ag404さんという方がまとめたゲームボーイのハードウェアデータベースというものがございまして。私も最近気が向いたら書き込むようにしています。
チップチューンを嗜む方々には広く知られたことのようですが、ゲームボーイの基板にはいくつかバージョンが有り、言う人に言わせると音の出方も違うとのこと。
私は出音の違いはあまり気にしませんが、ひたすらゲームボーイをベンドするなかで一つのことに気づきました。
左は、世界中のほぼすべてのサーキットベンダーが嫌いなブラックスライム(私はそう呼ぶ)が実装されたゲームボーイの基板。右は、そうでないもの。そして、その黒いツルっとしたのがついてる基板のオシレーターにピッチベンドのMODをしようとしても起動音のあと、正しくゲームが起動しなかったり、最悪二度と動かなくなったりするのです。こちらはその他の理由でイワしてしまったものたちもありますが、そのなれの果て。
中を開けないと当然基板の違いに気づけないわけですが、そこで前述の@Ag404さんのデータベースです。型番のGのあとが数字でなく何らかのアルファベットであろうということとと、MADE IN CHINAの本体がおそらくそうではなかろうか、と@Ag404さんのデータベースを見て気づけました。
まあ、もっとやりこめばその基板でしかできないベンドもできるかもしれません。
サーキットベンディング・ゲームボーイにノイズを乗せる方法
わたしが作っているサーキットベンディング・ゲームボーイはピッチベンドだけではなく、ノイズが乗ります。どうしているかというと、
黒丸のポイント同士をショートさせています。右上のポイント(ボリュームを通過する前のLRらしい)と、下のカートリッジコネクタのいずれか(右から6番目がお気に入り)をショートさせます。
右上のポイントは、上下2つのポイントをまとめたはんだ付けしてしまっていますが、そうしないとLR両方からノイズが出ないため。
ちなみに右上のポイントのすぐ下(ボリュームを通過したLとR)にも2つつなげているワイヤーがありますが、これはいわゆるプロサウンド化みたいなものです。よく別のイヤホンジャックをつけるプロサウンド化が知られていますが、私はどこかのサイトで見たこの方法にしないと、前述のショートをさせるノイズスイッチのスペースが確保できません。まあ備え付けのイヤホンジャックを流用できるので、シンプルでよろしい。つなげかたはこう。
左下の点線部分、この2本を切ってしまうのがポイントです。
続きを読むファン・デ・名古屋 2017.12 fiction friction 展でのライブの話
2017年12月10日(日)
ファン・デ・名古屋 2017.12 fiction friction 展関連イベント
世紀マ3のライブパフォーマンス
会場 名古屋市民ギャラリー矢田4F 第1展示室 日時
12月10日(日)16:10〜16:40
無事、終了しました。今回は、和太鼓と三線を使わずに、尺八(アダプター)などと、電子ギター、ゲームボーイで臨みました。
Dec.10.2017 CenturyMA3 Live Performance digest|世紀マ3ライブダイジェスト
ゲームボーイは過去最高のたぶん47〜49台でやっています。
実は以前、ここで「サウンド・マイン・ナゴヤ」という強烈なイベントがあり、もうサイトがないのでインターネット・アーカイブですが、
https://web.archive.org/web/20040211185628/http://www.gallery-yada.jp:80/sound-mine-nagoya.htm
この中の・・・「ヴィジュアルミュージック Deep Acoustics/サウンド・マイン・ナゴヤ」で、今もお世話になっている平尾さんのパフォーマンスをサポートさせていただきました。
当時はハナタレだったのであまり覚えていないのですが、平尾さんはコンパネ大はあろうかという巨大な発泡スチロールの板に、スピーカーをくっつけて展示室の壁にかけ、そこから私がReaktorで8chの音を出す、というものでした。このイベントで、鈴木昭男さんのアナラポスも生で見て、たまげました。こちらも今もお世話になっている河村陽介くんの、スピーカーがラジコンでレールの上を走るという作品も、衝撃的でした。ちなみに、市民ギャラリー矢田はこのサウンド・マイン・ナゴヤだけでなく、おもしろい美術の展示も数多く行われており、かくいうfiction-friction展も、見る人を選ぶと言えばそうですが・・・、名古屋ではあまり見れない展示という印象を受けました。
ところで、ファン・デ・名古屋は20年やってるそうですが、アーカイブがWEBで見れませんね、残念です。(市民ギャラリー矢田には置いてあったかな?)
奥にあるのは尾竹隆一郎くんの作品です。なんだか知らんが、とにかくでかいし多い!
笑顔が不気味だが、繋がった笑顔、見たまんまの解釈でいいと思います。
磯邉一郎さんの作品。7,000枚は描いたという、iPadで描いた絵の中から4枚を持って来たそうです。
星野武彦さんのうま。星野さんの絵は、うちにも飾ってあります。
本格派ペインター、赤羽史亮くんの油彩。
手前は斉と公平太さんのプラレールと天井まで伸びる謎の◇、奥は和田典子さんの新シリーズ、水溶性の油絵の具で描いた絵(もう一方の絵が、だったかもしれない)。
ここで紹介した以外にもいくつか作品ありますが、グループ展なのに、なんとも言えない距離感がすごい。
12月27日(水) 9:30~19:00 ※月曜休館日、日曜日17:00までとのこと。見に行って、気になった作家は今後もチェックしたらいいと思います。私は全員好きな作家なので、今後もできるだけ見に行くことにしています。
fiction friction展で世紀マ3がライブします
和太鼓担当の斉とが参加するファン・デ・名古屋 2017.12 fiction friction展(赤羽史亮、磯邉一郎、尾竹隆一郎、斉と公平太、星野武彦、和田典子)の期間中
2017年12月10日(日)16:10〜、完全無料で世紀マ3のワンマンライブを行います。みんな大好きな美術の作家で、展示もとても楽しみです。ちなみに前日の土曜日、オープニングパーティがあるそう。みんな来てください。
サーキットベンディングと改造
私は、予想外の音や、反応を楽しむのがサーキットベンディングの醍醐味だと思っています。ライブパフォーマンスするので、こう言う音を出したい、とか、音がこう変わってほしい、と思うことはあるけれど基本的にグリッチするのが大好物で、わけのわからない音は多分みんなも聞いたことなかろうと、それらでパフォーマンスをしています。
自分は最高だと思っているYAMAHA RX7というドラムマシンがあるんですが、その電子回路についてもっと調べて、
こことここをショートさせたらそうなる
このチップはこうすれば絶対そうなる
これだけはしないほうがいい
とかを全部知ってしまうとしましょう。すると、出てくる音に対する驚きや不思議さが半減、それが聴く人につたわってしてしまうんじゃなかろかと思うわけです。
でも、ある程度は知っていないと作るときに効率も上がらないし(言うほど効率考えてないけど)思ったような音を出す機械としての安定性や安全性も考えなければならぬ。でもあまりそっちに偏ると、「改造」になってしまい、すげ〜〜のポイントがずれる。(べつにいいけど)
また、ミラクルが起こった!と思っていたことが、仕組みを知ってしまうと以外と普通のことだったりとかそうしたことに気づいてしまうのもなんかさみしいです。
たくさん同じもので同じようにベンドするのも単純にハマっていて、それってわりと同じ「改造」を施しているような感じですが、すげ〜〜と感じたことを反すうしたい思いでやってます。あとは、見た目が面白いから、いいかなということでもあります。
道具の使い方はもちろん、仕組みを理解するとサーキットベンディング以外であって、「作ること」が楽しくなります。
ただ、未知との遭遇みたいなのを毎回楽しんでるので、理解したぶん、お楽しみがなくなっていくような気がする。。そのバランスが、サーキットベンディングものやサーキットベンダーの個性であり見所でもあると思います。
Reaktorでライブをやっていた時は、「使い方よくわからん」と開き直ってランダムな音が出るようなパッチくんだり、誰かが作ったパッチをマッシュアップしていました。それなりに面白かったですが、とにかく雑で「上手な人たち」をみて目が回ってきてフェードアウトしました。
Maxとか使いこなしてる人すげ〜な〜とか思っていましたが、まあそうした人たちも決して皆さん使いこなしているわけではなく、同じように未知との遭遇を楽しんでいらっしゃったのでしょう。