My music instruments hacks & circuit bent collection

2007年ごろより東海地方を中心に現在も活動中の、楽しい和太鼓と缶カラ三味線とサーキットベンドのバンド 「世紀マ3」のサーキットベンディング担当です。 ライブで使う楽器をGoogle Photoに全て掲載しているほか、一部の楽器の制作過程をYoutubeでも公開しています。 モノが見たい、など問い合わせありましたら、Twitterへお願いします。

TESEというものを受けてきました

今回はサーキットベンディング活動とは関係ない話です。

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いろいろはしょりますが、ある日「精液の中に精子がいない」と診断されました。1匹(?)もいないらしいのです。

無精子症

想像できますでしょうか?その話を聞いたときは衝撃でした。え〜なにそれ。ちなみに、勃起もそれなりにしますし、精液もでます。精液の中に精子がおらんのです。その事実を知ったあとに精液を見る機会もあったわけですが、「この中に1匹もいないのか・・・いつから・・・?」という複雑な気持ちになります。

さて、ここから先は私は医者でもないので、こういう人がいたんだな〜程度に読んでください。

精子が少ない/精子に元気がないなど、不妊には男性側にももちろん原因があり、無精子というのはその中でもヘビーな部類と言えましょう。精子がまったくいませんので、このままでは人工授精はおろか、体外受精も出来ません。まいった。

「原因は?」と先生に問うても、わかりませんという回答でした。なんで〜?と思いましたが、落ち着いて考えてみたら、初めて会った先生にそんな理由は今すぐわかる訳ありません。

私「ど、どうすれば・・・」

先生「キャンタマを開けましょう。」

精巣内精子採取法(TESE)

先生はすぐに、ここでは出来ないがタマをぱかっと開けて、精子がいるかどうか確かめて、いたら凍結保存をする方法がある。ちなみに、調べてもやっぱり、精子がいない場合もある。とおっしゃってくださいました。こえ〜

その時点で、いわゆる顕微授精確定で、普通の子作りの方法では子供が出来ないということを自覚しました。それ自体なんかグッと来るものがありました。

さて。タマから精液に混ざって精子が体外へ出る前に、精管という管を通って行くのですが、その管が切れるもしくは詰まる、などの原因から精子が外へ出ずタマの中で生まれては死んでいく、そういう状態が往々にしてあるそうです。コレを閉塞性無精子症と呼びます。そうした場合、精子はなんとかタマの中にいるわけで、タマブクロを3〜5cm切ってキャンタマから一部組織を摘出し、精子がいるかどうかを確認。その後顕微授精に使われます。

その逆、非閉塞性無精子症という症状は、あまり調べてませんが、精子が詰まっているのではなく、タマに脳からの命令がしっかり伝わっていないなどが原因で最深部のタマでも精子が作られていないという更にヘビーな状態のようです。それでも、開けてみて精子がいる場合もあり、顕微授精に使われます。

なお、手術前に触診や血液検査をしてもらいました。触診ではタマのサイズや、精管が通っているかをある程度観てもらいました。めちゃくちゃ痛いしくすぐったいです。すべて終わった今思い返すと、ここが一番つらかったかもしれません。タマの大きさは、まあ標準的だという話でした。極端に小さいと、この時点で非閉塞性が疑われるのでしょう。触診や、血液検査である程度調べることは出来るようです。でもその場合は「これはまずいな〜」という結果がわかるのみ。逆にこの時点で不審な点がなくても、精子がいると断言はできないようです。

血液検査では、数日に分けてのべ10本分くらいの採血をしました。ホルモンや染色体異常などを調べます。私の場合、LH黄体という、男性ホルモンを刺激する数値が基準値を0.1下回っていました。先生が、術前に気になることがあるとするとここかな?とおっしゃってくださいました。精子を作る司令が弱い?ようです。ほかには生まれてはじめて行うHIVの検査もあり、今、陽性出たらどうすんの?と思いましたが、そっちは大丈夫でした。精子が少しでもいれば生活改善などでなんとかなることもあるようですが、1匹もいない状態だともう、手術して調べないとわからないそうです。

原因

結論的に手術が終わった今もわからないのですが、思い当たるフシがあります。

  • 25年ほど前、鼠径ヘルニアの手術の経験がある

記憶が曖昧なのですが、小学6年生ごろ急におなかが痛くなって、さすってみるとなんか腸がブニってはみ出てお腹が膨らんでました。めちゃんこ痛くて、その日のうちに病院へ行って入院、手術するべ、となりました。

その少し前から、なぜかキャンタマが3つになってて、これは・・・?という話になっていたのですが、ついでに見てもらうことに。それ自体はスポーツ選手などでもたまにあると聞いたのですが、たとえばボールがキャンタマ当たって水腫ができてるだけで、手術で取ることができるそうです。陰嚢水腫というものらしいです。右の腹部を開けて、ヘルニア及び、陰嚢水腫を取り除きました。

なお手術の際、あろうことかその精管をねじってしまうか、ちぎってしまうこともあるらしく、それが原因で閉塞性無精子症となる方がいるそうです。ただ、精管は左右2本あるので私の場合、それが起こったとしても左の管は生きているはず。そして、触診の時点では管が認められたとのことなので、う〜んという話になり、(非閉塞性では)という雰囲気になりました。先生に、これが原因ですか??と聞いたのですが、断言できませんと言われました。確かに断言はできませんわな。手術前の先生とのこのやり取りらへんから、原因なんてどうでもいいや、と思うようになりました。

手術

とにかく、原因についてあれこれ考えることなく、まずはタマを開けてみよう!と、思えるようになりました。日帰りで手術できるところもありますが、紹介されたのはとある大学病院だったので、取り急ぎ有給をガチッととり、S部医療センターで手術をしました。初診から予約待ちで2ヶ月後。日帰りではないですが、2日で退院です。

手術後、妻がかかりつけの産婦人科にクルマで運び、そこで凍結保存をするという段取りです。手術は約1時間ほどとのこと。入院した日に看護師さんに導かれ、手術室へ向かいました。

背中に麻酔をバシッと打たれ、「イッテー」となりますが、みるみるうちに下半身が痺れてきて、重たくなってきます。冷たいものを当てられても、お腹から下は何も感じません。麻酔が効いて15分後くらいに、先生が始めますね〜と開幕宣言。全身麻酔ではないので意識はあります。なんかもそもそと触られてる感じはありますが、くすぐったかったり、痛いという感覚はありません。「今、切ってるけどどう〜?」と聞かれたりしますが、「ア〜、へいきです〜」って感じです。先生たちの会話から、「ここだね」とか、「閉塞性?」などいろいろ聞こえてきます。なんか、このあたりから涙が出てきました。

精子いるかな〜という思いもそうですが、卵を生むときウミガメは目から水分が出るといいますし、あんな感じだと思います。

凍結保存

ほどなく、先生から「精子いたので、奥さんにわたしておくね。」という良い結果が聞けました。何度も言いますが、原因はわかりません。でもわたしの精液にはいつからか精子が全くいませんでしたが、こうして手術をすることで最深部、キャンタマに精子はいたわけです。

ここからは嬉し泣きになっていたと思います。看護師さんからキムワイプみたいなのをもらって、「足りますか?」なんて言われました。術後は下半身が全く動きませんので、妻にもろくに会えず、病室でねんねです。1時間後くらいに妻から、かかりつけの産婦人科精子わたしといたよというLINEが入りました。

なお、TESEで取れる精子がどんな量なのかはわかりませんが、数回の顕微授精ができる量を取るため、使い切ってもう一度TESEを受ける人というのはごく稀だそうです。タマをわるというか、削る?感じのようなので、万が一にはもう一つもいじれるということでした。キャンタマが2個あることの素晴らしさを実感しました。

ちなみに縫合に糸は使わないので、抜糸もしません。病室でしばらくすると麻酔が切れてきて、タマを蹴られたときのように、腹部に鈍痛が走ります。これが結構きついですが、術前の触診に比べれば全然マシです。

手厚く採取してくださった先生はじめS部医療センターの皆様には感謝です。ここからかかりつけの産婦人科でスタートラインに立つわけです。なんかこの年にして人生を感じてしまいました。うお〜

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