サーキットベンディングにおける寄り道と事故
ゲームボーイのサーキットベンディングは、ある程度「やり方」を自分でつくって、それに沿った上でいろいろ寄り道をしてみたいという思いで続けており、現在100台を超えました。
その中でいろいろ試しているのがノイズ発生のスイッチにトグルスイッチではなく他のスイッチを採用して使用感を変えてみたりなど、スイッチのバリエーションです。特に最近ハマっているのはこのメカニカルスイッチ。
安物のモーメンタリ(押している間だけON)スイッチでは出せない贅沢な押し心地が味わえます。
使っているのはこのCherry MXキースイッチ(茶軸) というもの。真っ白のキートップとセットでAmzonで売っていたりします。
スイッチを入れっぱなしでピッチコントロールノブをぐりぐりやるのも楽なんですが、やはりスイッチを押したときだけ音が変わるという単純な機能も、楽器らしくて良いですし、このキーボード用のスイッチというものを選択する事で遠目に見ても異形感(キメラっぽさ)がなんとなく出ます。
人の手で作っていく中で、全く同じものを作るというのは誰にでもできる事ではないとおもうのですが、少しずつ違ったものがたくさんできていくのもそれはそれで面白いです。
ほかには、初代ゲームボーイ特有の液晶のコンディション(縦線、横線などの不具合)を活かして、映像のグリッチを楽しんでみたりしています。
初代ゲームボーイの縦線についてはモッダーの皆さんは先人の知恵でもってあらゆる手を尽くして直すのですが、サーキットベンダーは逆にブチこわします。
具体的には液晶の裏のハーネス接続部のハンダをあえて外したりして、映像を乱れさせるわけです。この発見は、バックライト装着時に液晶を浮かせた際、勢い余って全てちぎってしまい泣きを見て、、、拙いハンダ付けで直してみたもののうまく映らなかったのですが、なんかバックライトで照らすと綺麗だな〜とおもって開き直ったのがきっかけです。
いくつも作っていると、寄り道していろいろなものが試せたり、慣れた道でも事故から新たな発見が生まれたりするわけです。
なおこれは壮大な寄り道の結果、引き返す事ができず生まれたキモいサーキットベンディング・ゲームボーイです。作り方はドリルで穴を開けるだけです。