チャイミン(カウンターチャイム)の潜在能力、「エリーゼのために」モード
私の自称代表作チャイミンは、「ピ〜ンポ〜ン」という、聞き慣れた音がずっこけるさまでサーキットベンディングの面白さを万人に伝える傑作です。
さてこのチャイミン、2018年6月に鴨江アートセンターで開催された、PEG vol.1のワークショップで一つの謎が発見されました。参加者の一人のカウンターチャイムから「エリーゼのために」が流れるという、ぶっ飛んだバグと言うか怪奇現象が起きたのです。なぜ、エリーゼのためにが・・・会場は笑いに包まれましたが、私は心から笑えませんでした。「・・・怖いわ!!」
そもそもチャイミンのベースであるオープン工業製カウンターチャイムTB-50は、「ピーンポーン」という音を出す以外にその役割はなく、製品ページにおいてもエリーゼのためにを流す機能が備わっていることなどは記載されておりません。
なぜそのような事が起こったのでしょうか。その不思議な現象については、起こした張本人、参加者Silloiさんのブログの中程でその証言を読むことができます。
その場で何度か、このSilloiさんのチャイミンはしばしばエリーゼのためにを披露します。サーキットベンディングされているため、エリーゼのためにの旋律がマヌケな感じで流れ、講師である私の舌を巻きました。私の自慢のチャイミンからはエリーゼのためには流れません。ただのピンポーンです。
意図や原因はわかりませんが、もともとチップに内蔵されていることは間違いなさそう。どこかとどこかをショートさせるとスイッチが入るのでしょうか?その場でいろいろ試してみたものの、再現をすることは誰にもできませんでした。
あれから2年。その間私はずっと、チャイミン、いや、カウンターチャイムと向かいあい、エリーゼのためにがなぜ流れるのか?を毎晩考える・・・ようなことはしませんでしたが、その謎のヒントはある日突然やってきます。
それは2020年8月、ハードオフで仕入れたおもちゃのサーキットベンディングに失敗し自信を取り戻すために、チャイミンの制作に逃g・・・勤しんでおりました。いつものように可変抵抗やフォトレジスタをつけ、なんの変哲もない素晴らしいチャイミン(ただしエリーゼのためには流れない・・・)を作り終え、動作テストをしておりましたところ。発見したのです。
フォトレジスタにかなり強い光を与える(抵抗が低くなる)と、エリーゼのためにモードが発動するようです。したがって、エリーゼのためにが流れ出すタイミングはかなりの高音・スピードです。いつもと違う電子音が流れたと思ったらすぐに抵抗値をあげることで、エリーゼのためにを聞くことができるようになります。
これが正しい方法かはわかりませんが、とにかくチャイミンの制作者の一人として、エリーゼのためにモードを意図的に引き出す技を会得しました。今度、ワークショップがあった際にも講師として、したり顔で講釈をすることができます。
まあ、その際はトルコ行進曲を引き出す猛者が出るかもしれないのですが、そもそもそういった偶然の出会いが、ワークショップの醍醐味とも言えます。
分解のススメ 第4回 (オンライン) 楽器分解サーキットベンディング編に登壇しました。
2020年のコロナ自粛生活期間ももうぼちぼち終焉かという6月27日、分解のススメという、分解・リバースエンジニアリングの面白さと意義を共有しあうイベントに、オンラインで登壇しました。
当日のスライドを最後に公開しています。特に参考になったサイトについて、スライドでうつしただけだったので、リンク先をされたい方はご覧ください。
主催は、MakerFaireなどで必ずと言っていいほど遭遇するニコ技深圳コミュニティの高須正和さん。分解をテーマにしたイベントということで、オンラインで無料で参加できることもあり、第2回を通りすがりで見ておりました。するとこれがめちゃくちゃに面白かった。
#分解のススメ 第2回 テカナリエ 清水洋治代表 講演 「見て考えるべし 見てない人は妄想が多い」
このテカナリエ清水洋治代表の講演が非常に面白く、要は分解をとおして世界情勢を見るという、まさに分解のメジャーリーガーのような方(ご自分でもそうおっしゃっておった)でして、その人の言葉から私も分解の草野球選手くらいはやれてるのかな~なんて妄想しつつ、見る見るうちに2時間ほどが経っておりました。話のレベルは高くて、出てくるチップの用語やらはわかりませんが、こうした方法で世の中を変えていこうとする人がおるということを知り、グイグイ引き込まれてゆきました。
おもしろかった~などと小学生みたいにつぶやいておりましたところ、直後に高須さんからDMをいただき、「実は次々回にサーキットベンディングをテーマでやりたい」と。
こんなスゲーイベントに呼んでいただけるとは。しかも高須さん、あのDevgonAshさんにも声をかけておるとのことで、武者震い必至の週末となりました。
さて、当日は直前にLTも行われるということで、そこにはあのカセットテープDJの大江戸テクニカさんと、分解と特許というテーマでTJさんがLTを行ってくださることに。オンラインの講演という形ではあるものの、DevgonAshさんはライブをされるということで、私のほうはスライドをこさえて、サーキットベンディングの話をすることにしました。
当日は今はやりのZoomで行うということで、事前にひとりでリハをしておりましたところ、スライドに仕込んだ動画を流すとなぜか音が途切れる。動画の途中に「あーー」とか声を出すとしばらく音を拾いますが、なぜかまた音が途切れる・・・普通にしゃべっているときは大丈夫なのに・・・
ちなみに原因はこのオーディオ処理。オンラインコミュニケーション環境下では、デフォルトで我々の活動はシャットアウトされていることに気づきました。
無効化することで、我々の過ごしやすい世界を取り戻します。
※実は画面共有中にコンピューターサウンドを共有するという機能もあるのですが、それでもライン入力せずに実演をマイクで拾おうとするとダメ
さて、こちらは当日のスライドです。ベースはPPTで作り、本番はKeynoteで披露しました。スライド内の動画はすべてYoutubeのリンクをはり直しています。ちなみにSlideShareはなんであんなにアップロードに失敗するんでしょうか。うちだけですか?
Nikeのアダプトオートマックスを買いました
自宅勤務中のある日、雷を打たれたように、とあるスニーカーをネットで買ってしまいました。
以前から、ぼんやりスニーカーを新調したいな、と思っており、学生の頃履いていたニューバランスの992というモデルが再販されるというので公式サイトを見ておりましたところ売り切れで、プレ値で様々なところで転売されており、公式も全くリストックする気がなさそうで、結局手が出ないという憂き目にあいました。
なるほど、こういう世界もあるわなと、そのままナイキのSNKRSという、限定スニーカーが販売されるサイトをぼんやり見ておりました。すると。
写真を見てピンとくるでしょうか。
かの、バック・トゥ・ザ・フューチャー2に出てきた、自動で靴紐を結ぶアレのような靴紐部分の見た目。しかもよく読むと期待通り自動靴紐調整機能がついているという。
しかも?カスタマイズ可能なライトも搭載。ちょっと前に、まさにそのバック・トゥ・ザ・フューチャー2に出てきたアレ、「ナイキ・マグ」のレプリカが作られたというニュースを思い出しましたが、そういうネタ要素満載のスニーカーを実際つくちゃったんだ〜と思い、「欲しけりゃ作る」「なければ作る」というメイカースピリットが露出しまくりなものを放出するナイキに感動してしまいました。
その名は、ナイキ アダプト オート マックス。スマホおよびソール側面のスイッチで操作可能な自動靴紐調整機能を備えた「アダプト」シリーズを以前から発表していたそうですが、今回はそのエアマックス版という位置づけだそうです。
スマホアプリに表示されるLとRの文字を上下すると、締付け具合が変化。最適な締め付け具合を記憶するらしい。
ふーん。どうせこういう限定スニーカーの販売サイトだから、一瞬で売り切れるんだろうな〜と思って見ていたところ、発売は翌日(5月8日)の9時からであると。いつもなら通勤時間で、そんなヨタごとをしている時間はないのですが、今は在宅勤務。9時30分の始業前にちょっとパソコンに張り付いていればなんとかなるやもしれぬ。この時点で買いたいというか、「勝負したい」という気持ちになっていました。
うっかり注文が通ってこのわけわからんスニーカーが手に入っても、メイカースピリット剥き出しのものがそばにあること自体に意味がある。これと生活をともにして、肝に銘じようと、お決まりの無駄遣いをする際の自分への言い聞かせをしておりました。
気づけばその日は、寝る前にちゃっかりスニーカーのサイズを確認。いつも履いているスニーカーのサイズは26.5なのですが、ずっと履いていない貰い物のナイキエアフォース1のサイズだけ26だったので、「買うならナイキサイズ換算で26だな〜」などと思いにふけりながら、もう買ったつもりでふとんに入りました。
翌朝。8時30分ごろからSNKRSのサイトに張り付いて、1分前にF5連打で購入ボタンが現れたらシュバババと個人情報を放り込みます。そしてその日はアダプトオートマックスのことばかり考えておりました。すると、程なくして注文完了のメールが届きました。ちなみに、定価で38,500円もします。やっちまった。
あとは届くのを待つだけ。
届きました。ものすごい色です。
なお、靴紐自動調整機能ですが、映画のように4本のきしめんみたいな紐が勢いよくバシュッと締まる仕様ではありません。写真では分かりづらいですが、内部の左右側面にワイヤーが仕込まれており、靴底に潜んだモーターで締め付けるという機構になっています。
アダプト届いた。ヒモの部分はバックトゥザフューチャーのようにはならず、ただのうわぐつのゴムみたいだ。血圧計に足を突っ込んだ感じ。おいおいってくらい締まる。 pic.twitter.com/b95Ui2Kksd
— 世紀マ3 シンセ担当 (@banzainuigurumi) 2020年5月14日
2トーンのものすごい音で、結構な圧縮をしてきます。血圧計のあの、「おおおおお?」というくらいの締め付けも可能です。
ちなみに、締め付け操作をせず足を通した状態でも普通にそれなりにフィットします。ブカブカではありません。スイッチ操作をすることで、「おおおおお?」という感じにフィット感が増す感覚です。
キカイが入っているということは、電池も入っています。充電は、同梱の置くだけ充電Qiのパネルで行います。充電パネルにはUSB-Cのプラグが使えます。
ところで、バッテリーがヘタったら寿命?文鎮化なの?とおもって色々いじっていたところ、インソールの下にマジックテープのフタでかくされたモーターユニットが見えました。何らかの方法で交換できそう。
ちなみに、インソールには技適マークもついております。
このまま川に入ったら、一発でダメになりそうです。生活防水くらいはあるんだと思いますが。
ちなみに実は、自動靴紐調整機能よりも、スイッチが光るところが気に入っています。
この2つの光はそれぞれ締め付けのプラス・マイナスボタンなのですが、光ることでその機能をアピールしているところが、お子ちゃま用の交通安全スニーカーとの格の違いを見せてくれています。
歩いてるところ
さて、締め付けは内部のワイヤーで行うということは、要するにこのきしめんみたいなゴムはただの飾りです。
踵の部分は後ろに大きくせり出しており、少し大きめの靴を履いているようなシルエットになることに注意です。また、けっこうな厚底で、背が伸びます。
ハイテクスニーカーとはこういうことかと言わんばかりのすごい機能と見た目です。
いや、機能自体は驚きは特になく、今やったら出来たといった、枯れた技術の水平思考?いや、枯れた技術の拾い直しというべきか、映画に出てきたアレ、ちゃんと作ったらウケるやろという。
かつての大阪万博には、全自動人間洗濯機が出展されていたと聞きます。これに匹敵するのはもうそれしかないのではないでしょうか。
やっぱりMaker Faire Kyoto 2020 に出展しました
さる2020年5月2日(土)にMaker Faire Kyoto 2020が開催されました。今回はいわゆるCOVID-19の影響でオンサイトではなくオンラインでの開催となりました。
そもそもMaker Faireは、出展しながら会場の他の出展を見ることも可能ですが、懇親会などはあるものの思うように他の出展を楽しむ時間が取れずにいました。そのため、このMaker Faire Kyoto 2020には出展せず、観客として参加する予定でした。
しかしオンラインでの開催かつ、ハッシュタグを付けてTweetするだけで参加できるという手軽さから、これまで通り出展しつつ、タイムラインを追うという形でやっぱり参加することとしました。
ミュージックカテゴリの出展時間前には、Twitter画面とスプリットでYoutubeを表示させて「メイカーの心得」についてや、「COVID-19以降の世界にメイカーが貢献できること」についてのトークイベントにも参加しました。出展者だった場合さらにそうした時間をとりづらく、オンラインで参加できることがなかなかに快適でした。おやつ食べたりしながら、だいぶリラックスして参加することもできるわけです。これは発見でした。
さて、肝心の出展内容です。
電子機器から想定外の音を引き出す、サーキットベンディングに興じています。身近なものを分解してその役割を自分の手で変える、ものづくりの基礎が詰まった遊びです。これは太鼓のおもちゃをサーキットベンディングしたものです。作品集はこちら<https://photos.app.goo.gl/52sN25a67TCmX9A36>
#MFKyoto2020 #作品発表
特別な部品を足したわけでもなく、部品を取り除いたり、回路をイジっただけで、うまくいくと面白い音が出ます。この楽しさは実際に作ってみないとわかりづらいので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。私も特別な訓練を受けたわけでもなく、もともと電子工作は素人でした。#MFKyoto2020 #作品発表
※青字部分を一部脱字のままTweetしてしまっていました・・・
特別な部品を足したわけでもなく、部品を取り除いたり、回路をイジっただけで、うまくいくと面白い音が出ます。この楽しさは実際に作ってみないとづらいので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。私も特別な訓練を受けたわけでもなく、もともと電子工作は素人でした。#MFKyoto2020 #作品発表 pic.twitter.com/wD2ck0X6fj
— 世紀マ3 シンセ担当 (@banzainuigurumi) 2020年5月2日
さて。そもそもわたしはサーキットベンディングを発明したわけではありません。なぜサーキットベンディングをしているかというと、先達がやっていたサーキットベンディング作品がほしい。自分もやりたいと思ったからです。
MakerFaireにメイカーとして参加しているのは、作品を発表したいだけではなく、サーキットベンディングをとおした、DIYの楽しさを広めたいからです。ここがとても大事です。
今日、サーキットベンディングされて来ました
突然ですが、数日前から急に血便がでてて、痔かな?と思っていたけれどちっとも痛くないのでしばらくほっといたんですが、やっぱ怖いから地域の大きめの病院の休日診療に行ったんです。今日はその時の話です。
まず、研修医っぽい先生に、あらましを伝えたり、事前に撮った便の写真を見せました。そして、ちょっとズボン脱いで横になってくださいって言われたので、お尻を出しました。
見るだけかな?と思いきや「ちょっといや〜な感じするかもですけど、痛かったら言ってください」と言われた直後、指か何かが肛門を通ってかなり中のほうに入り、直後に「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!www」と自然に声が出てしまいました。中に入ってる間、ずっとです。
先生は、「?痛かったです??」と聞き返してくださったのですが、動転して「くすぐったかったです。」と答えてしまいました。痛くなかったので、痔ではないだろうということはなんとなくその日にわかりました。初めてのことでしたが、肛門の中に異物が入るというのは、今思い返すと、(ああ、こういうことか)という感想でした。
ちなみに後日、ちゃんと検査をするために腸のカメラで診てもらう予定です。。。
ところで私は日頃、様々な電子回路のデリケートな部分を突っついては変な音を出すサーキットベンディングという遊びに興じているのですが、まさか自分の体の中身を突っつかれて変な声が出るとは思いもよりませんでした。
ちなみに、古いノートパソコンには、ごく小さい穴のような、リセットスイッチが備わっています。こちらも押せばPCが「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」となって復活する、人間の肛門のような機能があります。
こちらは、間違った回路のつながり方をすると意図しない音が出てしまう、サーキットベンディングあれこれです。
Tsukuba Mini MakerFaire2020への参加
Tsukuba Mini MakerFaire 2020に参加してきました。
そもそもMini MakerFaireは、大垣で行われているものしか知りませんでした。つくばで初開催されることをMakerFaire Tokyo 2019の会場で知り、参加してみるかということで、準備を進めてきました。
私の代表作、ベンドボーイですが、乾電池の管理が非常に面倒という問題がありました。そこで、MakerFaire Tokyo 2019からUSB電源を使う方式に方向転換しました。
電池の管理から開放されるほか、電源投入時のエモーショナルな効果も得られる事となりました。
さて、こちらは2019年バージョン。USB電源タップが机の上に置かれています。
とりあえず電池を入れ替えたり、保管時に全て外したりということは不要となるわけですが、肝心の展示の際、電池で動かす方法よりも並べたときの美しさに劣ります。
そこで、展示で使ったパネル2枚にドリルで穴を開け、USB電源コードをパネルの裏に通すことにしました。
水糸を張り、然るべき場所にドリルで穴を開けます。パネルはベニヤなので、勢いよくドリルで開けると割れてしまうので丁寧に開けていきます。表面にできてしまうささくれも、後でヤスリで除去します。
水糸を切るのが面倒だったので、一本をジグザグに・・・
10mmの穴を開ければ、USB電源のコードが通ります。
その後、パネルの裏に電源タップを貼り付けます。後ではがせるように、マジックテープを使いました。電源タップはAliExpressで手に入れた10ポートのUSBハブです。初代ゲームボーイ用のUSB電源コードは、kitsch-bentで購入しました。Amazonなどで買うと1本2,000円ほどしてしまいますが、ここだと2ドル以下で買えました。store.kitsch-bent.com
ちなみに、3フィートの一番安いケーブルは私が買いすぎてディスコンになってしまいました。多分、業者と間違われていそうですが、気にしません。
こちらは会場の様子。マスクやら、手洗い消毒など厳戒態勢ではあるものの、沢山のお客さんが来てくださいました。「明和電機」といったスーパースターや、地元の中学生や筑波大学の学生、おなじみのMakerなど、沢山の出展者との出会いもありました。
ぴしっときれいに、ベンドボーイを体感していただける展示となりました。
さてこちらは会場のつくばカピオの外観。谷口吉生氏の設計でも知られています。初日は曇り、2日目は雨でしたが、それでも沢山のお客さんが見に来てくださいました。
搬入日の夜、pj-hack-tenorion(パリピ般若)さんから聞いた「ジョイフル本田」というホームセンターにも行って来ました。
とにかく巨大で、ホームセンター界のデス・スターみたいなものを想像していたのですが、ここにあるものでデス・スターが作れそうなくらい広くて品揃えが圧倒的でした。
石膏像も売ってた・・・
次回の国内のMakerFaireは京都ですが、来場者としていろいろな人とコミュニケーションをとってみたいと思い、応募を見送りました。
別の形でこうしたもの?づくりの楽しさが伝わるサーキットベンディング作品ができるかや、展示のアイデアが思いつけば、MakerFaire Tokyo 2020へ応募してみようかと思います。
目覚まし時計をサーキットベンディング
最近はめっきり、ドラムマシンやシンセサイザー、エフェクターのサーキットベンディングから離れ、おもちゃ類のサーキットベンディングに勤しんでいます。理由としては出音さえ面白ければ概ねピッチベンドを施すだけで完成まで持っていけることや、手軽に入手できることから、失敗してもすぐにつぎへ気持ちが切り替えられるからです。
発表することなどは特に意識もせず、次から次へと作品が増えてゆくのは気持ちいですし、繰り返すほどになにかしら身についていくような気がする、縄跳びや腕立てのような、そういう感覚です。
そうこうしていると、近場のリサイクルショップをまわるだけでは資源が枯渇してきます。以前紹介したカウンターチャイムのサーキットベンディング作品「チャイミン」のように、素材の新品を通販などで探すこともそれなりに賭けですが必要になってきます。
賭けというのは、リサイクルショップで中古品を安価で買うわけではなく、定価で買うからであり、例えば失敗例は下記の時計。定価は8,940円(税抜)でした。
サーキットベンディングの素材として期待して買っては見たものの、それが不可能だったり、失敗したことは何度かあります。中でもコレに失敗したときは、絶望でしばらく立ち直れませんでした。 pic.twitter.com/wk682Brfcu
— 世紀マ3 シンセ担当 (@banzainuigurumi) 2019年8月24日
さて、通販で素材を探す際、検索窓に「メロディ」というワードをほうりこむと、電子音のメロディが仕込まれたおもちゃや電化製品がリストアップされることが多いです。そんななか新品の素材をモノタロウで発見しました。
メロディアラームクロック フルーティ MAG(ノア精密) 置き時計 【通販モノタロウ】 T-379 PK-Z
ただの目覚まし時計のように見えますが、鐘を物理的に打撃するタイプではなく、16曲もの目覚まし音のメロディが仕込まれておるとのこと。魅力的なのはその値段で、2020年1月現在、999円です。(もっとほかに安いのもあるかもしれませんが)
新品で素材を仕入れられるメリットとしては、何度か失敗しても再チャレンジが可能であることのほか、ワークショップなどにも活用できることなどが挙げられます。
早速開けてみます。
なかなかに期待値の高い基板の見た目。指で触ってみると、かんたんにピッチのぐらつきを確認できました。
抵抗を取り除いて、1MΩの可変抵抗にすり替えます。中身のクリアランスもいい感じで、他にも色々スイッチはつけられそう。なお、このあと出かける用事があったので、20分ほどでピッチベンドのみのサーキットベンディングを施しました。
出来上がりは、これはこれでシンプルでとてもよろしい。
このメロディ目覚まし時計フルーティーは、そのまま時計としても生活に溶け込ませることができ、いかにもな感じがなく、よりシュールさを味わうことができます。実際、作業机の上の時計として今も活躍しています。
これからも、おもちゃや楽器だけではなくこうした電化製品も、もっとサーキットベンディングしてみたいです。
私の最新の作品リストはこちらです。