サーキットベンディングと改造
私は、予想外の音や、反応を楽しむのがサーキットベンディングの醍醐味だと思っています。ライブパフォーマンスするので、こう言う音を出したい、とか、音がこう変わってほしい、と思うことはあるけれど基本的にグリッチするのが大好物で、わけのわからない音は多分みんなも聞いたことなかろうと、それらでパフォーマンスをしています。
自分は最高だと思っているYAMAHA RX7というドラムマシンがあるんですが、その電子回路についてもっと調べて、
こことここをショートさせたらそうなる
このチップはこうすれば絶対そうなる
これだけはしないほうがいい
とかを全部知ってしまうとしましょう。すると、出てくる音に対する驚きや不思議さが半減、それが聴く人につたわってしてしまうんじゃなかろかと思うわけです。
でも、ある程度は知っていないと作るときに効率も上がらないし(言うほど効率考えてないけど)思ったような音を出す機械としての安定性や安全性も考えなければならぬ。でもあまりそっちに偏ると、「改造」になってしまい、すげ〜〜のポイントがずれる。(べつにいいけど)
また、ミラクルが起こった!と思っていたことが、仕組みを知ってしまうと以外と普通のことだったりとかそうしたことに気づいてしまうのもなんかさみしいです。
たくさん同じもので同じようにベンドするのも単純にハマっていて、それってわりと同じ「改造」を施しているような感じですが、すげ〜〜と感じたことを反すうしたい思いでやってます。あとは、見た目が面白いから、いいかなということでもあります。
道具の使い方はもちろん、仕組みを理解するとサーキットベンディング以外であって、「作ること」が楽しくなります。
ただ、未知との遭遇みたいなのを毎回楽しんでるので、理解したぶん、お楽しみがなくなっていくような気がする。。そのバランスが、サーキットベンディングものやサーキットベンダーの個性であり見所でもあると思います。
Reaktorでライブをやっていた時は、「使い方よくわからん」と開き直ってランダムな音が出るようなパッチくんだり、誰かが作ったパッチをマッシュアップしていました。それなりに面白かったですが、とにかく雑で「上手な人たち」をみて目が回ってきてフェードアウトしました。
Maxとか使いこなしてる人すげ〜な〜とか思っていましたが、まあそうした人たちも決して皆さん使いこなしているわけではなく、同じように未知との遭遇を楽しんでいらっしゃったのでしょう。